チャカ・カーン

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チャカ・カーン
Chaka Khan
カリフォルニア州イネズのチュマッシュ・カジノ・リゾートにて熱唱するカーン
基本情報
出生名 Yvette Marie Stevens[1]
別名 Chaka Adunne Aduffe Hodarhi Karifi Khan
生誕 (1953-03-23) 1953年3月23日(71歳)[1]
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 イリノイ州ノース・シカゴ
ジャンル R&Bジャズファンクソウルミュージックディスコアダルト・コンテンポラリー・ミュージック
職業 歌手ソングライター
活動期間 1973年 - 現在
レーベル ABCレコード (1972年–1978年)
ワーナー・ブラザース・レコード (1978年–1998年)
MCAレコード (1979年-1982年)
NPGレコード (1998年-2001年)
バーガンディレコード (2005年-現在)
共同作業者 ルーファスプリンス
公式サイト chakakhan.com

チャカ・カーンChaka Khan、本名:Yvette Marie Stevens[1]1953年3月23日[1] - )は、アメリカ合衆国イリノイ州出身の女性R&B歌手。芸名の「Chaka」はアフリカの言語で「炎の戦士」という意味。本国では「シャカ」と発音する場合が多いが、日本では「チャカ」で通っている。「Khan」は最初の夫の姓。

概要[編集]

ジャズに影響を受けたソウルフルな歌唱で、1970年代から1980年代に精力的に活動した。ヴェスタ・ウィリアムズ、ホイットニー・ヒューストンメアリー・J.ブライジなど、多くの女性歌手に影響を与えた。アレサ・フランクリンとの違いは、アレサがゴスペル・ルーツのソウルであるのに対して、チャカはジャズ的な歌唱法である点である。

実弟にシンガー・ベーシストのマーク・スティーブンス(Mark Stevens)、実妹に、シンガーのタカ・ブーン英語版がいる。娘のインディラ・カーン(Indira Khan)もシンガー。

略歴[編集]

1973年、ファンクバンド、ルーファス英語版のボーカルとしてデビュー。翌年、スティーヴィー・ワンダーが提供した「テル・ミー・サムシング・グッド」がヒットした[2]

1978年には名プロデューサーであるアリフ・マーディンの元でソロ・デビュー。デビュー曲「アイム・エヴリ・ウーマン」は後にホイットニー・ヒューストンがカバーした楽曲としても知られている[1]1982年にはルーファスが解散してソロに専念する。解散ライブ・アルバムにボーナストラックとして収録された新曲「Ain't Nobody」がヒットし代表曲の一つになった。また、ジャズ・アルバムも発表している。

1984年プリンスのカバー「フィール・フォー・ユー」が大ヒット(全英1位・全米3位)。ラッパーメリー・メルを起用したヒップホップの先駆けとなる先進的なサウンドで、同年のデイヴィッド・フォスター作のバラード「Through the Fire」と共にヒットした。R&Bだけでなく、ジャズ歌手としても高く評価されている。1980年代末にはマイルス・デイヴィスと度々共演した。

1980年代後半以降はやや不振だったが、1989年発表のクインシー・ジョーンズ・プロデュースによるレイ・チャールズとのデュエット曲「I'll Be Good to You」がR&Bチャート1位のヒットとなった。

1992年のアルバム『ウーマン・アイ・アム』はグラミー賞・最優秀女性ソロR&Bアルバム賞を獲得した。この頃はドイツに在住していたことがあり、一部の楽曲では現地のプロデューサーを起用している。

1995年発売予定だったアルバム『Dare You to Love Me』が発売中止になるなどの経緯を経て、1996年のベスト・アルバムを最後にメジャー・レコードとの契約を解消。1998年には彼女と同じようにワーナーと袂を分かったプリンスのインディーズ・レーベル「NPG」からアルバム『カム・2・マイ・ハウス』をリリースした。

2002年、映画『永遠のモータウン英語版』に提供したマーヴィン・ゲイのカバー「ホワッツ・ゴーイン・オン」がグラミー賞を受賞。2004年にはイギリスのサンクチュアリ・レコードよりジャズ・スタンダード集『クラシカーン』をリリース。

2006年ソニーBMG傘下の新レーベルBurgundy Recordsと契約した。2007年9月(日本盤は10月)に同レーベルから新アルバム『ファンク・ディス』を発売。ビルボード総合アルバム・チャート初登場15位(R&Bチャート5位)と自身最高の初登場順位を記録し、約10年ぶりにシーンの第一線に返り咲いた。メアリー・J.ブライジフィーチャーした「Disrespectful」がクラブプレイ・チャートで1位を獲得した。第50回グラミー賞では『ファンク・ディス』が最優秀R&Bアルバム、「Disrespectful」が最優秀R&Bグループに輝き通算10回目の受賞となった。

若い頃と変わらない声量やハイトーンボイスを保ち、リリースは少ないが、多数のアーティストの作品に客演したり、精力的なライブ活動を続けた。2010年代には、ファットバックの曲をバックトラックに使用した楽曲も発表している。

人物[編集]

ルーファスのシンガーとして、デビューする以前、16歳でブラックパンサー党に入党し、同党の新聞を売ったり、貧しい地域に住む黒人の子供たちに朝食を配ったりしていたことがある[3]

ディスコグラフィ[編集]

ソロ・アルバム[編集]

  • 『恋するチャカ』 - Chaka (1978年)
  • 『ノーティ』 - Naughty (1980年)
  • 『恋のハプニング』 - What 'cha Gonna Do for Me (1981年)
  • 『ビバップを歌う女』 - Chaka Khan (1983年)
  • フィール・フォー・ユー』 - I Feel for You (1984年)
  • デスティニー』 - Destiny (1986年)
  • 『C.K.』 - c.k. (1988年)
  • 『人生はダンス〜スーパー・ダンス・リミックス集』 - The Remix Project (1989年) ※リミックス・アルバム
  • 『ウーマン・アイ・アム』 - The Woman I Am (1992年)
  • 『チャカ・カーン・ベスト!〜エピファニー』 - Epiphany (1996年) ※新曲多数を含むベスト・アルバム
  • 『カム・2・マイ・ハウス』 - Come 2 My House (1998年)
  • I'm Every Woman The Best of Chaka Khan (1999年) ※ベスト・アルバム
  • 『クラシカーン』 - Classikhan (2004年)
  • Platinum Collection (2006年) ※ベスト・アルバム
  • 『ファンク・ディス』 - Funk This (2007年)
  • All the Hits Live (2008年) ※ライブ・アルバム
  • 『ハロー・ハピネス』 - Hello Happiness (2019年)
  • Homecoming(Live) (2020年) ※ライブ・アルバム
  • ジャパニーズ・シングル・コレクション-グレイテスト・ヒッツ-』(2021年) - Japanese Singles Collection -Greatest Hits- ※日本限定ベスト・アルバム

ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン[編集]

  • 『ルーファス』 - Rufus (1973年)
  • 『ラグズ・トゥ・ルーファス』 - Rags to Rufus (1974年)
  • 『ルーファサイズド』 - Rufusized (1974年)
  • 『ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン』 - Rufus featuring Chaka Khan (1975年)
  • 『アスク・ルーファス』 - Ask Rufus (1977年)
  • 『ストリート・プレイヤー』 - Street Player (1978年)
  • 『マスタージャム』 - Masterjam (1979年)
  • 『カムフラージュ』 - Camouflage (1981年)
  • 『ライヴ/サヴォイでストンプ!』 - Stompin' at the Saboy (1982年) ※ライブ・アルバム
  • Best of Rufus (1982年) ※ベスト・アルバム

参加アルバム[編集]

デュエット[編集]

日本公演[編集]

6月29日,30日 中野サンプラザ
5月1日,2日 中野サンプラザ、3日 大阪厚生年金会館、4日 愛知県勤労会館
5月6日 東京厚生年金会館、7日 大阪厚生年金会館、9日 名古屋国際会議場センチュリーホール、10日 浜松市教育文化会館、11日 高山市民文化会館、13日 金沢市観光会館、15日 岡山シンフォニーホール、16日 広島厚生年金会館、17日 徳島市文化センター、 18日 九州厚生年金会館

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d e Ankeny, Jason. “Chaka Khan - Biography”. AllMusic. 2016年12月18日閲覧。
  2. ^ Classic Soul Album Spotlight: Rufus' "Rags to Rufus@”. soultrain.com (2014年5月5日). 2022年3月3日閲覧。
  3. ^ 詳しくはXにおける同投稿参照。

外部リンク[編集]